旅館業界は、団体客の減少や海外旅行への移行で衰退していました。現在は外国人観光客で賑わうところも出ていますが、大体苦戦していたわけです。
そんな中、さっそうと登場したのが星野さんです。不況にあえぐ業界にあって次々とヒットを飛ばしていました。
私は2009年に開業した「星のや京都」にしばらくしてからお邪魔したことがあります。いったい何が違うのか興味津々でしたね。
結論、一言でいうならば「そこにしかない価値」を演出していると感じました。
嵐山には渡月橋という有名な橋があります。(写真は星野リゾートさんのHPから拝借しております。)
この近くの駐車場に車を止めて、渡月橋の傍から船で上流の旅館に向かいます。この時点でもう他とは違います。旅館までの道のりを楽しませてくれるのです。
嵐山を訪れた方で、どれだけの方が船から渡月橋を臨むでしょうか。
船に乗り込み上流を目指します。水面に光る陽射し、静かに滑るように進む船。旅館に向かうこのワクワク感が星野さんの狙いでしょう。
両岸の山肌にも情緒があり、気持ちよく上流へ進みます。
こちらは船着き場です。スタッフが出迎えてくれます。
お部屋も歴史ある老舗旅館を見事に甦らせていました。
日常生活からしばらくの間離れて、ゆったり過ごしてほしいとのコンセプトからテレビやオーディオ・時計まで、一切備えられていません。なおのこと・・・川のせせらぎが心にしみていきます。
対岸にはトロッコが走り観光客が手を振っていました。
お部屋は離れ感覚で奥には日本庭園が施されていました。一つ一つに意味があり、思い入れがあることを案内してくれます。
夕食も絶品でした・・・目の前でシェフがもてなしてくれます。お酒も入りシェフと話が盛り上がりました。
翌日フロントへ出向いた際、スタッフから「楽しい夕食だったのですね、シェフが申しておりました」と言われるまでの接客の質でした。
費用は、私にとってしょっちゅう利用できる金額ではないですが、また訪れたいと思っています。
帰りはまた船で桂川を下っていきます。わずかなひとときが終わる・・・心に少しずつ刻まれる時間があるのです。
旅館は全国にいっぱいあります。しかし、「そこにしかない価値」そこへ行かないと味わえない気持ちの変化が人を惹きつけているのだと思いました。
賃貸アパートも全国にいっぱい・・・徳島にもいっぱいあります。
他にはない、そこにしかない価値を提案し入居者を良質な気持ちの変化で惹きつけようではありませんか。。。