賃貸ビジネスを事業と捉えて、経営者として取り組み、借入金の金利総額に留意すればリスクは減ると思います。
・・・というお話でしたが、これらは取り組む姿勢や考え方のことです。現実に低リスクにするためには具体策、しかけが必要です。
今回は現在の賃貸住宅市場の中身を入居者側から一緒に覗いてみましょう。
前にも話しましたか゛・・・私は約30年近く木造注文住宅を供給しておりました。特にこの20数年間はライフスタイルの変化に加え、震災による耐震性の重要性やCo2削減などに向けた断熱性の向上など、発展進化してきたと思います。
住宅雑誌を開けば1000万円以下の超ローコスト住宅や自然素材の家・メンテナンスフリーの中級クラスに贅を尽くした富裕層住宅など様々な取り組みが大変な数あります。
供給側も、ハウスメーカー、中堅ビルダー、大手デベロッパー、建築家、FC、地元工務店、総合建設系、設計事務所ネットワーク、大工さん等々違う組織がひしめき合って商品開発しています。
ジャンルも・・・ライフスタイル系、デザイン系、輸入系、雑貨系、アットホーム系、ハイスペック系、自然派系など特徴が色々ある訳です。
ネットでも住宅雑誌でも雑貨誌でも戸建ては種類が多く、知識がないと何が何だかというくらい選択肢があるのです。
それに比べて賃貸住宅の雑誌はどれも同じようなただの部屋探し。。。
〇〇町・家賃〇〇円・敷金〇〇円礼金〇〇円・共益費がどうの
オートロックがあるの、エレベータがないの、築年数が〇〇年だとか、何の変哲もない間取りに外観・内観写真を見ていると、うんざりしてきませんか・・・
もちろん環境や広さ条件も必要ですが。。。それだけなのです。
たまには、お洒落な部屋も見られますが、その家賃か~みたいな・・・今度は豪華になっているのです。。。
なにか惹きつけられてキュンッてしてみたいと思う訳です。
「うんっ、これいい」とか。「なんだこれっ」とか。「こんなとこ住めたらなぁ~」とか。がほしい・・・
つまり、賃貸に住まう方の選択肢があまりに少ないと感じます。なぜ、こんなことになってしまったのか ? 考えてみました。
大きく二つあると思います。
一つ目は、戸建注文住宅の場合のお客様は一般消費者ですが、賃貸住宅となるとお客様はオーナー様(大家さん)だということです。
供給側は、お客様であるオーナー様(大家さん)を説得できないと仕事になりません。なので実際の入居者をターゲットにせず、大家さんをターゲットにした商品開発を続けているのが最大の理由だと考えました。
「こうすれば面白い」という提案は、「そこまでしなくても入居は決まる」という方向に流れていくのだと思います。
そして、もう一つの理由は戸建注文住宅に比べて地元工務店や地元総合建設の方々の建築シェアが高いところです。全国ランキングでは、皆さんご存知のハウスメーカーが上位を占めていますが、地方一つ一つを見る、或いは既にある物件を見ると圧倒的に地元供給会社が多いのです。
この方たちが、地主さんたちと供給してきた商品の中に、おもしろい部屋がどれだけあるでしょうか。
「その当時はそんなものだっ」というお声が聞こえてきそうですが、戸建注文住宅からは遅れている感が否めないのではないでしょうか。。。
何が遅れているのか、選択肢が少ないということです。どれも平凡で画一的なのです。何を選択するのか ?
1K・1LDK・2DK・3DKなら戸建て賃貸 ?
南向き ? 何帖ある ? 駐車場どこ ? ・・・などではなく。
暮らし方だと思います。どう暮らしたいのか ? 部屋に帰るとき、どんな気持ちになりたいのか ?
そういう日々の生活に直結する楽しい提案を供給側皆さんがして。。。それも含めて選択してもらいましょう ?
そしたら、入居者のお部屋探し・・・選択肢が豊かになりますよね。これぞ正に顧客目線だと思うのです。