風の道をつくる。

単身者用賃貸では四角の部屋で両サイド隣の壁で囲まれやすいので風の抜けが良くありません。
SKIP HOUSE ではスキップルーム側(ローカ側)に窓を設けて南側(バルコニー側)の掃き出し窓から抜けるようしていました。

ガレージハウスは2戸1棟の戸建感覚なので比較的風の抜けはつくりやすい。でも風の捉え方を知っているとさらに快適になります。

風の道をつくるには入口と出口が必要です。大きな開口部ばかりでも道はつくられません。大原則は北西の風をさけて東南の風を取り組むことにあります。

基本的に夏の風は東南~。東南の低い窓から北西の高い窓へ導いていきます。場所によっては背後に山があり夏でも北から吹きおろしの風が吹くなんてこともあります。そんな時は北側に入口を設けたりします。

こういったその場所ごとの風土を考慮した設計をバナキュラーデザインといいます。さすがにここまでのことは難しいので今回は縦滑り出し窓の効果についてお話しします。

大きな掃き出し窓より、小さな縦滑り出し窓の方が風を捉えます。


縦滑り出し窓は壁から大きくせり出していきます。そよ風を完全に捉えます。
この時、凄く重要なことがあります。それは縦滑り出し窓の吊元です。縦滑り出し窓一つですとどちら側からの風を取り入れるか、ということですが、2セットになると効果は絶大になります。

その2つの縦滑り出し窓の吊元位置を間違えると効果はなくなります。こちら・・・ガレージハウスのLDですが、吊元をご注目ください。出窓などで使われる縦滑り出し窓と逆になっています。風を捉えて部屋を回り反対側の縦滑り出し窓から出ていきます。入口と出口、これだけでも効果は絶大なのです。


さらに部屋の反対側にはデザインも兼ねて横滑り出し窓を採用しています。部屋は2Fです。低い方から取り込みます。横滑り出しも縦滑り出しと同様壁から突き出ています。壁づたいに下からの風を捉え縦すべりだし窓方向へ導きます。

右の壁は家具スペースとなるため、明かり取りとして天井近くに高くセットされます。壁一面使えるよう考慮しました。

私は戸建住宅を供給していましたが、風の道をつくるようになってからは引違いの腰窓は使っていません。

新築の建物を見て、引違い腰窓を多用し縦滑り出し窓の使い方が間違っている現場は風の道を考慮していないことになります。皆さん、今度気を付けてみてみてください(笑)
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