まずはホールダウン金物です。これは、新耐震基準の1981年には施工されていません。2000年の改正の時になります。この間はグレーゾーンということでしょうか。徳島県知事は耐震改修の際、この2000年基準に到達することが望ましいとおっしゃっていました。ホールダウンは以前にお話ししましたので過去のブログでお願いします。
ブログ参照 : 耐震基準の変遷。
土台(桧)に柱が建っています。その柱と土台をL型の金物が固定しています。ホールダウンが必要のない場所でもこのような金物が取り付けられています。
その柱の上部、梁との接合部です。
柱と土台+筋交いを固定する金物。また種類が違いますね。
その上部の接合部です。
土台と柱のホールダウン金物に筋交い金物です。
その上部の柱と梁+2Fの柱を繋いでいます。これなら大きな揺れでも引っこ抜けそうもないです。
これは建て方の時の梁の先っぽの写真です。この継ぐ形を仕口といいます。
その梁と梁のつなぎ目を強化している金物です。
こちらは梁と梁が抜けないよう引っ張り合っている金物で羽子板と呼んでいます。お正月の羽子板に形が良く似ているのでそういうのでしよう。
屋根を支える束と母屋を繋ぐ金物です。それぞれに加わる力によって耐えうる金物の種類が決まっています。前回にも出ました、ひしゃげないよう突っ張る火打ち金物です。
現在の在来工法は、木と木を繋ぐ形の仕口と補強金物の接合で耐震力を保っています。耐力壁のバランスと量、そしてこの金物の丁寧な施工により高耐震建物が実現します。
現在建っている建物の強度は、2000年を境に一段と強化されたように思います。でも旧耐震を新耐震に改修することでも耐震力は強化されています。こちらを基準にすると費用はかかりますが、より強いということでしょうか。
投資と同じで必ずもうかるものがないように、絶対安全という建物も存在しません。よりバランスの取れた安全を目指すべきだと考えます。そしてその性能を引き出すには丁寧な施工が大切だということです。
出来るところまでやったら、地震に備える心構えの方になりますよね。