競合と差別化と専有面積。

賃貸ホームズという大手のポータルサイトを見ますと、2016年3月入居の新築物件がたくさん並んでいます。1K・1LDK・2LDKなど次々に建設されています。これが毎年続くとすると入居者獲得には、厳しい競合が待っています。

私は約30年に渡って注文住宅の元請け会社を経営していましたので、競合には慣れています。2000万円もの建物をどこかの住宅会社に発注するわけですから、施主様は皆さん慎重で100%競合から始まります。

この時、重要なことは住宅を購入される施主様すべてをターゲットにしないということでした。全てのお客様を対象にした商品には特徴がなく魅力に欠けます。

グッとこないのです。胸のあたりがキュンってならないと申しますか・・・私はこの感覚を大切にしています。

特徴がなければ、「これがほしい、これでなきゃいやだ」という気持ちにはなれません。そうすると安い方を選びます。

賃貸の場合は、もっと決断が速いと思いますが、基本的には同じこと。単身者とか新婚さんとかいう大きなククリのターゲットにすると広い方か豪華な方、家賃が安い方に向かいます。(環境は別)

事実、ポータルサイトを見ると1Kで30~35㎡、1LDKで40~45㎡と年々専有面積が大きくなっています。20年前、洋室8帖だったものは10帖へさらに11帖へと変わっています。キッチンや床も住宅用を仕様として豪華に見せようとしています。

専有面積を広くすることも、仕様を豪華にすることも凄く簡単です。一番手っ取り早く、誰にでも出来ることです。なので皆がそれらをして新築しています。結果、ガチンコの競合となります。

そのうえ費用が余計にかかれば利回りが落ちてしまいます。注文住宅事業の場合は粗利益が、賃貸事業の場合は利回りが重要ですもんね。

本来の差別化とは、皆がやっていない魅力を提供することが差別化です。今すぐ思いつくものは、他の人も思いつく。今が株の買い時かと思うときは他の人も思っている(笑)

今回のSKIP&PIT PROJECT の専有面積は建築基準法でいうと約28㎡ですが、スキップルームやピットルームを参入すると約40㎡もあります。40㎡の専有面積で1Kの家賃設定(十分高利回りになる)だとするとお得感満載。。。

これらにスキップフロアというかけがえのない楽しさがある訳です。どこにもない感覚です。ここでしか味わえないワクワク感が魅力となります。決して専有面積勝負ではなく入居者の気持ち勝負なのです。

もちろん、フラットなワンフロアの方がいいという方もおいでます。
階段がめんどくさいと思う方はターゲットではありません。

しかし、だからこそスキップフロアに憧れていた方にとっては、「これがほしい、これでなきゃいやだ」という強い気持ちが芽生えます。

これが本当の差別化です。私はこのことを「圧倒的な差別化」と呼んでいます。その上で専有面積を広くしたり、豪華仕様にすることはいいのではないでしょうか。基本的に自由設計ですから、何でも相談してくださいね。

ただし、事業目的は利益を出すことですから。お忘れなく。。。
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