昨日、取引先経営者様が年末のご挨拶に来られました。
普段お話しする機会がないのですが、地元の工務店の仕事がドンドン減っていると心配しておられました。
もともと工務店という業態は、戦後高度成長期に入るとき(前回の東京オリンピック辺り)に、住まいが足らないので、国策として量を供給する目的で大工棟梁たちが経営者になったことが始まりです。
大工さん個人が建築を請け負っていたのを、工務店が請負い現場監督を雇用し大工さんら職人に分離外注することで、現場数を増やし、量を供給するという業態に変わっていったのが「工務店」なんですね。
ほとんどは10名以下の零細組織であります。
そういう意味からすると、空き家だらけの現在において当時の工務店の役割は既に必要ないということです。
つまり、工務店は量を追いかけてはダメだということです。
商品開発をして、営業マンを研修し、モデルハウスを何棟も常設し、すべてが一連の流れの中で安定した量を供給できている住宅会社は地元ビルダーと言って工務店とは業態が違います。
ここが工務店とビルダーの違いと見ています。
この辺を地元工務店側がごっちゃにしているケースが多くみられ、その方たちが競合に負けて薄利になり、衰退していっているとみています。
今後さらに取り巻く環境は悪化し、2030年ごろから新築着工戸数は激減していきます。
工務店は生き残れるか、どうか、を考えるのではなく・・・
顧客に必要とされているか、どうかなんだと思います。
工務店が必要とされるには、ひとつは一期一会。
高い施工・技能力に加え、手作り感がほしいところ。
大手ハウスメーカー、設計事務所、建築家、地元ビルダー、ローコスト中堅ハウスメーカーなんかとは、競合にならないモノづくりでなくてはいけないと思います。
っとするならばボリュームゾーンと言われる2000万円前後ではなく、その施工センスが試される4000万円前後ぐらいの商品開発が一番だと思います。
この価格帯だと大手に対して、仕様だけでも圧倒的に有利にはたらきます。
優秀な技能集団として、必要とされるポジション(価格帯)=高仕様(センスが必要)を狙うことで地元住民に必要とされるのではないでしょうか・・・