木造住宅の耐震性について。

建物の地震に対する備えは、数多くの種類が見られます。

まず建物の構造によっても基本的な防衛の仕方が違います。
鉄筋コンクリート造や鉄骨造は「ラーメン構造」というのが一般的で柱と梁の接合部が剛接合されています。

剛接合とは、地震エネルギーに耐えられるよう柱と梁を動かんように強く引っ付けているということです。
(下図はウィキペディアより)
これに対して日本古来からの木造(伝統工法)は柔接合と申しましょうか。

ラーメン構造のように地震エネルギーに対抗するのではなく、柱と梁を組む際に仕口という接合部で木の特性を生かし柔軟かつ自然に揺れ動いてエネルギーを放出していく特性があります。

一口に木造と言っていますが、木造には大きく2種類あります。
西洋建築の影響を受けていない伝統工法と戦後発展してきた在来工法です。

在来工法(一般的に建てられている木造住宅)のことを木造軸組み工法ともいい、寺社・仏閣にみられる伝統工法の建築物とは全く違う構造になっています。

伝統工法による木造建築は日本が世界に誇る技術や技能力が結集されています。建てる職人さんも違っていて一般に建てられている木造建築物の大工さんとは「道」が違う宮大工が携わります。

簡単に伝統工法と在来工法の違いを説明します。

伝統工法では基本的に金物は使いません。木の特性を生かし木だけで組み上げます。柱や梁は太く樹種や木目なども考慮に入れ仕口という複雑な接合部も高度な技能力で組み上げます。
先ほど申しました通り、基本的に地震に対抗せず静かに揺れてエネルギーを放出します。

 
在来工法は伝統工法に比べ柱や梁が細く(伝統工法に比べると4寸でも細い・・・)簡単な仕口と金物で接合されています。ここで肝心要なのが筋交いというCのように斜めに据えられた部材です。地震エネルギーに対してはほとんどこの部材で対抗します。この場合建物の地震に対する強度はこの部材の全体に対するバランスと量いうことになります。


伝統工法がなぜ一般に普及しなかったのか ? 簡単です。高すぎるしそんな太い木はありませんし職人さんも少ないんです。

戦後復興する際、次々と住宅が新築されていくため開発されたのが在来工法なんです。この在来工法は年々進化を遂げて今では大地震に耐えられるよう様々な取り組みがなされています。

その一つがドリフトピン工法です。
 柱に出っ張った金物が取り付けられています。
 これに対し梁にへっこんだ金物が取り付けられ。。。
 その金物が合わさった穴にこのピンをたたっこむ工法です。
木と木の接合部は長く続く余震などで弱くなっていきますが、金物での接合なら度重なる揺れにも耐えられるという考えです。

このドリフトピンを採用しさらに集成材の大きな柱や梁を組み合わせた木造ラーメン構造というのも一部のハウスメーカーで販売されています。テレビCMで横綱が出てたヤツです。
しかし・・・たか~い(笑)

ここまでの話は耐震といいまして、地震エネルギーに対して対抗して耐えるというのが基本です。

しかし、現在の木造住宅の進化は凄いです。これらに対してさらに制震・免震というやり方があります。

では次回、制震と免震のお話を・・・
Contact us資料請求・お問い合わせは
受付時間/10:00〜16:00 定休日/水曜日・日曜日・祝日
COPYRIGHT 2015 Kurashi-design Corporation.
ALL RIGHTS RESERVED.