師弟制度の崩壊。

私の祖父は造作大工さんでした、弟子をとって住み込みで仕事を教えていました。
いわゆる内弟子、私が小さいころは庭に小さな小屋があって中学校を卒業したばかりの内弟子さんが住んでいました。
造作大工さんとは、山から切ってきた木の皮を削って手加工し、お家を建てるんですね。

また私の父の方はというと、型枠大工さんでした。
昭和30年代にはじまった高度成長期に大型公共工事・コンクリート化真っ盛り・・・
大手ゼネコンが分離発注するのを下で請けるんですね。

この二つ、いずれにしても師弟制度から始まります。
どこかの親方に属して仕事を習うんですね。
現在の人手不足とは違って、「見習いにしてやるから見て憶えろっ」なんですね。

親方次第で、天国と地獄、胸三寸で決まるので、今言う・・・
パワハラはそこらじゅうでしょうか。

当時こういった親方のところに中学校卒業後の子たちを親が預けに来るんですね。
「親方、この子を男にしてやってください~」ですよ。

兄弟が多く長男以外は進学も就職も難しい場合など、
こういった厳しい環境の中、努力していい職人になっていったんです。

初任給などありません。
全て親方次第です。

今の建築現場にお弟子さんはほとんど見かけなくなりました。
師弟制度から雇用制度に変わったからでしょう。

今話題の吉本の発端は朝ドラでもモデルとして紹介されていましたが、いわゆる興行主です。
寄席を築き、芸人をその都度雇い演目をつくります。

客が呼べる芸人には、頭を下げ営業してでも出てもらうが、
売れていない芸人には出してやるからやってみなはれ、
という関係になりやすい。

その芸人たちが弟子をとって、やがてその弟子たちが寄席に出るようになるというしくみ。

それで一応うまく機能していたのですが、吉本はNSCという学校制度(能力主義)によって成功を納めますが、師弟制度は崩壊へと向かいます。
師弟制度によって保たれていた興行主の立場は、企業として見られるようになると。

つまり、師弟制度の崩壊⇒学校制度によって、興行主から企業へと変革しなければ成り立たなくなってしまったということだと思います。

変革の時期にバタバタするのはしかたがない、少し時間がかかるのも仕方がない、でも変革の意思がなければフタをしたままくすぶり続けていくことになると思うんです。
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